本物にふれる@ミラノ・最後の晩餐
こんにちは。子育て案内所のmicoです
今回はイタリア・ミラノでの出来事を通じて感じた,本物にふれる大切さについて書いてみたいと思います。
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幸運なことに,イタリア・ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」を見る機会に恵まれました。
世界遺産にも登録されているこの壁画は,良好な保存状態を保つため,1回あたりの見学人数と時間が厳格に定められています。
私が見たときは,学校の団体客と一緒になりました。
おそらく中学生くらいの学生さん達20数名と引率の先生2名で,フランス語を話していました。多分フランスの学校の子どもたちだと思います。
見学のスタート時間もきっちり決められていて,その時間にならないと,壁画のあるお部屋に通してもらえないので,待合室のようなところで,その学生さん達と一緒に待機していました。
彼らは溢れんばかりの元気があって,わーーーーーっとそれぞれが喋るもんだから,待合室は常にワイワイガヤガヤしていて。引率の先生たちが,「シーっ,静かに!!」(フランス語圏でもシーってやるんですね)と人差し指を口の前に出して,生徒たちに静かにするように催促していました。
そんなこんなで,待ちに待った見学時間となり,合計3つの自動ドアをくぐって,壁画が保管されている部屋に入りました。
すると,ついさっきまで,ものすごい勢いで喋っていた子どもたちは,最後の晩餐を目にしたとたん,しーんと黙り込んでしまいました。そして,引率の先生の解説を静かに聞いていました。私のように美術の素人でさえも圧倒されるような美しい壁画。そんな作品,しかも本物の作品に,こどものうちから触れられるなんて,なんと素晴らしい経験だろうと,子どもたちの絵を前にした態度を眺めながらしみじみ思っていました。(もちろん壁画も堪能しました笑)
ヨーロッパに素晴らしい絵画の文化が育つのは,実はこうやって子どものころから本物に触れる機会があるから?なんて思ったり。
いずれにせよ,こどもたちには,本物にふれさせる経験をできるだけ沢山させたいですね。美術に限らず,どんな本物でもいいと思います。本人たちがその分野に興味がなくても良いと思います。でも,きっと本物には,感性のするどいこどもたちに訴えかける何かがあるはずですから,本物にふれることで,その「何か」を感じ取ってもらいたいですね。